CCSの意味
CCSとはCarbon dioxide Capture and Storageの略で炭酸ガスの吸着と貯留の略である。
工場で排出した炭酸ガスを分離して、圧送、地中に圧入保管する事業を言う。詳しくは、FoEJapanのページより
CCSに賛同できない理由
私はこれまで35年以上にわたり、気候を変動させず持続可能な社会を実現するためにどうしたらいいかを研究してきました。空気中に出る二酸化炭素を減らしたい。なのに「CCSが安全な技術だ」と言われても賛同できないのか? その理由を2つ述べます。 (代表:品田知美 の私見)
1 マッチポンプな技術で無駄が多い
エネルギー的な観点からもとても効率が悪く、マッチポンプな技術だからです。
もともと地中深くで二酸化炭素と水素がしっかり結びついて安定しているのが化石燃料です。気体状態が天然ガス、液体が石油、固体が石炭になります。燃やせばかならず二酸化炭素と水ができ、空気中に拡散していきます。これを無理に地中に戻そうとしたら、エントロピーの法則(物理学第二法則)に反しますので、どこかで再びエネルギーを加えなくてはなりません。
化石燃料に混じっている硫黄(S)や窒素(N)のような大気汚染物質は、不純物ですからそれほど量は多くないため、少々のエネルギーを使って処理が可能ですが、それでさえも、安くあげようと企業は長らく浄化装置をケチり、いまでも途上国ではつけられずに大気が汚れていたりします。ですが、二酸化炭素は出る量が桁違いに多いので、この排ガスを処理しようというCCSは桁違いの大事業になり費用がかかります。
CCSでは、「排ガスをアミン溶液と接触させ、溶けたCO2を含むアミン溶液を120℃程度に加熱する」そうです。つまり、工業的につくられた大量のアミン溶液にCO2を溶かし、ふたたびエネルギーを使って加熱して分離するわけです。そして、エネルギーを使って運び、圧力をかけて地中に送り込むのです。その時、地中にかかる圧力は相当な水準になるはず。地層はその力学的負荷を受け止め切れるのでしょうか?
化石燃料とは、空気中にただよっていた二酸化炭素をプランクトンや植物など生物が太陽エネルギーを使って効率よく集め、それを何億年もの歳月をかけ、地球が作り出した奇跡的な物質です。私たち動物は、植物と太陽のめぐみに依存して生きている。その事実に対して、謙虚さを欠いた妙な技術の濫用は必ず失敗する運命にあると私は思います。
2 「産業の構造を変えない」技術だから未来がない
これは、首都圏CCS株式会社が説明会の時に、奇しくも語ってくれたセリフなのです。GXとかいいますが、エネルギー資源産業は変化を好みません。首都圏CCS株式会社の主な出資会社INPEXはもとをたどると帝国石油で、戦時下の資源確保と結びついてと1941年9月1日に設立された国策企業です。
資源をめぐる争いは容易に国をまきこむ戦争に結びついていきます。こういった植民地・帝国主義が復活したような資源争奪戦から、そろそろ抜け出すべきときです。もっと自然エネルギーの割合を高めて、石油製品に依存しない産業構造になっていたら、いまだって右往左往しなくてすむはずでしょう。
石油が必要不可欠なものになってから、まだ100年もたっていません。安価にとはいかなくても、自然素材で代替できるし、技術は進化をとげています。化石燃料から完全に抜け出すのが難しくても、少しずつ理にかなった技術に早めにシフトしていく社会のほうが、未来が明るいと思います。そういった技術の種があると知っているし、自然エネルギーだけで十分に豊かさを享受は享受できます。
でも、変えたら衰退してしまう産業のひとたちは、いまの構造を守りたいのです。CCSに賛同すると、伸びようとする産業構造の到来を阻害します。企業や組織はひとの生活をより良くするためにあるもの。暮らしを豊かにする別の産業が育てばいいのではないでしょうか。
私はこんなふうに自然を壊して人工物を作り続け、大量にモノをつくりつづけ廃棄するのにまたエネルギーを使う、現在の仕組みはやめたいです。
だから、「産業の構造を変えない」CCS技術の導入には賛同しません。