拙速な試掘の許可について抗議します
経済産業省による試掘の許可が本日4月15日に出されました。
4月1日に九十九里の海をまもる会がたちあがり、経済産業省への質問への返答文書をいただいたばかりです。
その文書では、
「引き続き、関係自治体とも連携しながら、政策説明や情報発信に取り組んでいきます。 」
「景観の変化を含め、自治体へ必要な情報提供を行うよう求めていきます。」
といったように、地元理解がすすんでいないことを認識されている内容となっています。
ところが、文書を踏まえて1週間しか経たぬうち、また対面での質疑をする機会が来週に設定されているタイミングにもかかわらず、このように拙速な試掘許可が行われたことは、あまりにも誠意がないやりかたです。
私たちはあきらめません。
千葉県熊谷俊人知事への手紙
経済産業省の許可がされ、九十九里沖に二酸化炭素を埋める首都圏CCS計画の試掘許可を県知事も出されたとのこと、とても残念です。日頃より、知事の気候変動を止めたいという熱意と県の施策には賛同するところも多く、県民であることを誇りに思っていました。また、あなたが歴史に造詣が深く思慮深く判断される方と信じていました。なので、止めていただけるのではないかと言う希望を抱いていました。
なのに、この計画にGo サインを出されたので、深く失望しています。県民の宝でもある九十九里沖を、あなたはまもろうとされず許可を与えました。それは市民の意見を尊重したとはいえないご判断でしょう。このままでは、この素晴らしい景観と遮るもののない九十九里の景観に汚点を残す計画を許可した知事として、あなたは後世まで名前を残します。
知事は150周年千葉県フィナーレイベントで白里海岸に来られました。その見渡す限りひらけた太平洋の大きさを、感じられたはずです。そのすぐ近くの海に、首都圏CCS株式会社は巨大な人工物を建てようと計画しています。なぜ許可されたのでしょうか。銚子から太東岬まで見渡せるこの海岸から、永遠に首都圏CCSが建てた人工物を目にすることになる。そのことを理解した上で、許可をされたのでしょうか?もし、まだその問題性に気づいていなかったなら、いまからでも遅くはないので撤回してください。あなたには、そのお力があるはずです。
千葉県が出している二酸化炭素を地産地消で九十九里に埋めようとする、その発想は間違っています。千葉県が屈指の工業県として日本中の物資を生産しているからといって、そこから出る二酸化炭素を県のものとして引き受ける必要もないからです。ここで生産された鉄は日本のみならず世界で使われます。
中国から出る二酸化炭素が多いからといって、そこで生産される物資が米国、日本、欧州などに輸出されている以上は、彼らに責任を押し付けることはできない。世界ではその不平等について知見が研究として積み上がり、いまでは国別比較の有効性は認められないように、県別比較は意味をなしません。県別の議論は古く錆びついた思想で、プロジェクト推進の理由にはならないでしょう。
きっと誠実なあなただからこそ県内での排出を引き受けようとされているのですね。でも、千葉が二酸化炭素のゴミを引き受けてしまっては、東京で使用する電気を福島や新潟の原発が引き受けてしまうのを許すのと同じです。それに、千葉県では全国2位レベルの太陽光発電が導入され、蓄電池も積極的に補助金が出されるなど、再生可能エネルギーの算出地域となっています。排出量と削減量を差し引きされた二酸化炭素は、計算されていますか?ありましたら、わかりやすく公表してください。
そもそも太陽光発電は、政府のエネルギーシステム構築全体の不備により、せっかく発電できるのに無理に抑制されています。この残念なしくみにより捨てられて全部が使われていない自然エネルギー。こんなにもったいないことがあるでしょうか?システム改善にこそ、税金と知恵を使ってください。工場の設備改善を進めるのではなく、内房から80kmものパイプラインで外房に二酸化炭素を持ってきて、海底に捨てるという、洗練さのかけらもない技術にお金を使うような計画に、県として全力で反対してください。
まだ計画が知られていないだけで、千葉県民はこのプロジェクトをおかしなものと判断するでしょう。どうかごく普通の市民の感性に寄り添って起きうることを想像し、国の意向や官僚たちの進言にとらわれず判断してください。政治家は行政の職員と違う判断をする唯一の存在とあなたはかつて主張していたのが印象的でした。鴨川のメガソーラーの問題はこじれてから判断されて中止に至りました。首都圏CCSもこれから必ずこじれると思います。そうなる前に、賢明な判断をされるよう心から願っています。
2026年4月17日 九十九里の海をまもる会 代表品田知美
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