試掘の許可について抗議します
ついに、掘削リグが九十九里沖にやってきたようです。
経済産業省による試掘の許可は4月15日に出されました。その2ヶ月前の2月9日締め切りで、意見が募集されていたので、私を含めて様々なかたが反対意見を表明しています。ところが、許可を出した当日に公表されたのは試掘に対しては6件の意見だとの結果がまとめられました。
あまりに少なくておかしいんじゃない?FoEさんが情報公開請求してくれて、わかったのは、123件ものほとんど反対の意見の数々でした。どうしてこれほどの隠蔽をしてまで試掘許可を出したんでしょう。その答えが知りたく、FoEさんサポートのもとで、会の役員2名と知人たちとともに、7/14日試掘許可に関する経済産業省への不服申し立てをいたしました。プレスリリースはこちらです。そんなあやしい許可のもとで、恥ずかしげもなく、衒いもなく、試掘を始める首都圏CCS株式会社の企業風土は残念でしかありません。いますぐ停止してください。
試掘の許可についてCCS事業方では、下記の要件があります。
(6) 申請貯留区域等における貯留事業等を行うことが、農業、漁業等の産業の利益を損じ、公共の福祉に反するものでない。
(7) 申請貯留区域等における貯留事業等を行うことが、社会的経済的事情に照らして著しく不適切で、公共の利益の増進に支障を及ぼすおそれがない。
こういった点から、利害関係を有する者からの申立が募集されたのです。私たちは公共の利益に反していて、公共の利益の増進に支障を及ぼすと考えますし、根拠も示して主張しています。回答に納得はできませんでした。
実際に、掘削リグを目の当たりにして皆さんはどう思われましたか?
私たちがAIで合成したような奇妙な風景が広がっています。夜景はもっとひどい状況です。まさに光害で九十九里中から光る建造物が見られます。静けさとともにある夜の闇と日の出の風景は失われています。やっと地域の皆さんも何が起きているのか気づき始めていただけたかもしれません。
このまま、海が損なわれていいのでしょうか。このプロジェクトが実行されてしまっては未来永劫、この九十九里の自然と歴史と文化に汚点を残します。
CCSはしなくてもなんとかなる事業です。どうしてもしなければならない事業だといわれても、私たちは洗脳されません。二酸化炭素を減らす方法は他にもいろいろあることを、気候変動対策のことをずっと考えてきた私たちだからこそ知っているからです。
推進されるかたがたは、SDGsにどこまで真剣に人生をかけて取り組んできましたか?ぜひ聞いてみたいです。
千葉県熊谷俊人知事への手紙
経済産業省の許可がされ、九十九里沖に二酸化炭素を埋める首都圏CCS計画の試掘許可を県知事も出されたとのこと、とても残念です。日頃より、知事の気候変動を止めたいという熱意と県の施策には賛同するところも多く、県民であることを誇りに思っていました。また、あなたが歴史に造詣が深く思慮深く判断される方と信じていました。なので、止めていただけるのではないかと言う希望を抱いていました。
なのに、この計画にGo サインを出されたので、深く失望しています。県民の宝でもある九十九里沖を、あなたはまもろうとされず許可を与えました。それは市民の意見を尊重したとはいえないご判断でしょう。このままでは、この素晴らしい景観と遮るもののない九十九里の景観に汚点を残す計画を許可した知事として、あなたは後世まで名前を残します。
知事は150周年千葉県フィナーレイベントで白里海岸に来られました。その見渡す限りひらけた太平洋の大きさを、感じられたはずです。そのすぐ近くの海に、首都圏CCS株式会社は巨大な人工物を建てようと計画しています。なぜ許可されたのでしょうか。銚子から太東岬まで見渡せるこの海岸から、永遠に首都圏CCSが建てた人工物を目にすることになる。そのことを理解した上で、許可をされたのでしょうか?もし、まだその問題性に気づいていなかったなら、いまからでも遅くはないので撤回してください。あなたには、そのお力があるはずです。
千葉県が出している二酸化炭素を地産地消で九十九里に埋めようとする、その発想は間違っています。千葉県が屈指の工業県として日本中の物資を生産しているからといって、そこから出る二酸化炭素を県のものとして引き受ける必要もないからです。ここで生産された鉄は日本のみならず世界で使われます。
中国から出る二酸化炭素が多いからといって、そこで生産される物資が米国、日本、欧州などに輸出されている以上は、彼らに責任を押し付けることはできない。世界ではその不平等について知見が研究として積み上がり、いまでは国別比較の有効性は認められないように、県別比較は意味をなしません。県別の議論は古く錆びついた思想で、プロジェクト推進の理由にはならないでしょう。
きっと誠実なあなただからこそ県内での排出を引き受けようとされているのですね。でも、千葉が二酸化炭素のゴミを引き受けてしまっては、東京で使用する電気を福島や新潟の原発が引き受けてしまうのを許すのと同じです。それに、千葉県では全国2位レベルの太陽光発電が導入され、蓄電池も積極的に補助金が出されるなど、再生可能エネルギーの算出地域となっています。排出量と削減量を差し引きされた二酸化炭素は、計算されていますか?ありましたら、わかりやすく公表してください。
そもそも太陽光発電は、政府のエネルギーシステム構築全体の不備により、せっかく発電できるのに無理に抑制されています。この残念なしくみにより捨てられて全部が使われていない自然エネルギー。こんなにもったいないことがあるでしょうか?システム改善にこそ、税金と知恵を使ってください。工場の設備改善を進めるのではなく、内房から80kmものパイプラインで外房に二酸化炭素を持ってきて、海底に捨てるという、洗練さのかけらもない技術にお金を使うような計画に、県として全力で反対してください。
まだ計画が知られていないだけで、千葉県民はこのプロジェクトをおかしなものと判断するでしょう。どうかごく普通の市民の感性に寄り添って起きうることを想像し、国の意向や官僚たちの進言にとらわれず判断してください。政治家は行政の職員と違う判断をする唯一の存在とあなたはかつて主張していたのが印象的でした。鴨川のメガソーラーの問題はこじれてから判断されて中止に至りました。首都圏CCSもこれから必ずこじれると思います。そうなる前に、賢明な判断をされるよう心から願っています。
2026年4月17日 九十九里の海をまもる会 代表品田知美
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